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有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者とは

婚姻関係を継続することが出来ない状況、すなわち、婚姻を破綻させた原因を作った側の配偶者のことです(婚姻の破綻については、当ホームページ「離婚原因」の項目における2の5「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」をご参照ください。)

有責配偶者からの離婚請求の可否

原則と例外

有責配偶者からの離婚請求は、原則として、認められませんが、例外的に認められる場合もあります。そして、例外的に有責配偶者からの離婚請求が認められるためには、以下の三つの条件を満たす必要があります。
1) 夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間と比較して、かなり長期間に及んでいること。
2) 当事者の間に未成熟の子供が存在しないこと。
3) 相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的に非常に苛酷な状況におかれることになるなど、離婚請求を認めることによって相手方が大きなダメージを受けるような事情がないこと

3つの条件

例外的に離婚請求が認められるための3つの条件のうち、
1)の別居期間が長期に及んでいるか否かの判断は難しい場合が多いです。実際に裁判所の判断も様々です。
例えば、同居期間22年、別居期間8年という点では同様であるにもかかわらず、逆の判断をしていたり、別居期間6年でも長期にあたると判断していることもあります。
もっとも、裁判所は長期間に及んでいるか否かにつき判断する際に他の様々な事情を考慮しているため、似たような事例において異なる判断をしているものと考えられます。そして、この判断に際して特に重要視されているのが、有責配偶者から他方配偶者へ財産給付がどの程度あるかという点であると考えられます。すなわち、裁判所は、別居後の婚姻費用の負担の有無、財産関係の清算についての態度等を考慮し、財産給付があり誠実な態度が認められる等の場合には、長期の別居であると評価し、離婚を認める傾向にあると考えられます。
したがって、婚姻破綻の原因が自分にあり、且つ例外の要件を満たすかどうかが微妙な場合には、他方配偶者に対して必要な金銭的援助を行い、出来る限り誠実に対応することが重要になります。

有責配偶者からの離婚請求に関する裁判例

有責配偶者からの離婚請求に関する裁判例は多数ありますが、そのいくつかをまとめておりますので、
詳細は有責配偶者からの離婚判例をご参照下さい。

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有責配偶者判例

判決日時:
最大判昭和62年9月2日
結論 :
破棄差戻(③の要件)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 差戻
36年。同居期間や双方の年齢を対比するまでもなく長期といえる。同居12年。 両者の間に子はいない。ただ、後に不貞の相手方となる者の長女・次女を養子縁組しているが未成熟ではない。 趣旨:五号所定の事由に係る責任、相手方配偶者の離婚による精神的・社会的状態等は殊更に重視されるべきものでなく、また、相手方配偶者が離婚により被る経済的不利益は、本来、離婚と同時又は離婚後において請求することが認められている財産分与又は慰藉料により解決されるべきものである。
補足:
有責配偶者からの離婚請求の要件を定立。また、相手方の申立によっては離婚に伴う財産上の給付の点についても審理し解決をも図るのが相当であるとも示した。

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判決日時:
東京高判平成元年11月22日
結論 :
請求認容
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 肯定
40年。同居12年。 両者の間に子はいない。 生活費を支弁していなかったが、別居時に建物を相手方に渡しており、相手方も婚姻費用請求しなかった
補足:
財産分与1,000万円、慰謝料1,500万円。平成3年、最高裁で1,500万円で和解。

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判決日時:
最判昭和62年11月24日
結論 :
上告棄却(要件充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定(原審判断) 肯定(原審判断) 肯定(原審判断)
30年。同居4年。 子は既に働いていて住居も購入している。 有責配偶者は、相手方配偶者が長女と同居する際に荷物を運搬したり、種々の手続をする等相手方を援助している。その後も相手方と長女の家賃を援助し、長女の住居購入費を300万円援助し、住宅ローンを事実上支払いをしている。不貞の相手方は、有責配偶者や相手方に対し離婚を要求したりすることなく、上告人や長女に対する配慮から妊娠を避け、長年にわたつて有責配偶者に尽くしてきて既に老境を迎えている。

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判決日時:
最判昭和63年2月12日
結論 :
破棄差戻(③の要件)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 差戻
22年。同居期間や双方の年齢を対比するまでもなく長期といえる。 2人の子は25歳以上である。 差戻審にて肯定されたがその内容は不明。
補足:
差戻審で離婚認容・慰謝料300万円の判断が下り、その後上告は棄却されたため確定。

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判決日時:
最判昭和63年4月7日
結論 :
破棄差戻(③の要件)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 差戻
16年。同居期間や双方の年齢を対比するまでもなく長期といえる。 4人の子は30歳以上である。 差戻審で和解がなされているが、事実上肯定。
補足:
差戻審で和解。離婚認容・1,000万円の離婚給付がなされている。

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判決日時:
最判昭和63年12月8日
結論 :
上告棄却(要件充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 肯定
10年3ヶ月。双方の年齢(有責配偶者39歳、相手方37歳)及び同居期間(同棲後1年1ヶ月、婚姻届出後10ヶ月)に対比して相当長期とされた。 両者の間に子はいない。 主に以下の事実経過より苛酷とはいえないとされた。→ 有責配偶者は精神的な変調をきたし、アルコール依存症と診断され、また、内向的な性格でもある。右症状も本件離婚を巡る紛争と無関係なものとはいえず、かかる状態に重圧を感じて離婚を望み、相手方配偶者との関係の修復は全く考えていなかった。他方、相手方配偶者は、離婚する意思はなく、自分は有責配偶者を必要としているとして婚姻の継続を望んでいるとはいうものの、その真の理由の大半は、有責原因となる行動に走った有責配偶者から離婚を求められるいわれはないとの確固たる気持ないし有責配偶者に対する意地あるいは憎悪感という感情的なものにすぎない。有責配偶者との関係修復を実現可能なものと捉えて真撃かつ具体的な努力をした跡は窺えない。不貞相手に対する損害賠償に勝訴した昭和55年頃以降も有責配偶者に生活費や治療費を送金したり見舞いその他の音信を寄せたりしたことも全くない。また、現在も1年の大半は外国航路の船にコックとして乗船し年に約400万円の収入を得ていて経済力の点では有責配偶者に勝っている。有責配偶者からの扶養や相続を期待すべき状況にはなく、有責配偶者との法律上の婚姻関係を解消されることによって失うものは少ない。

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判決日時:
最判平成元年3月28日
結論 :
上告棄却(要件不充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
否定。8年。双方の年齢(有責配偶者60歳、相手方57歳)及び同居期間22年を考慮すると、長期とはいえない。ただ、同居19年目あたりから、有責配偶者は庭のプレハブ小屋に寝泊まりする。 不明。ただ、4人の子はいずれも20歳以上である。 否定。社会的評価を変化させるような別居期間中の事情(不貞行為の解消、財産関係の清算に関する誠意ある提案等)がなんら主張されていない(最判平成2年11月8日参照)。

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判決日時:
最判平成元年9月7日
結論 :
破棄差戻(③の要件)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 差戻
15年6ヶ月。双方の年齢や同居期間と対比するまでもなく長期といえる。 長男は19歳半ばで既に未成熟子とはいえない。 原審が指摘するような事情は離婚を巡る紛争においては通常想定される範囲内の事情であって、特段の事情にあたらない。その事情とは、強制執行を受けるまで婚姻費用の支払いをしなかったこと、年齢的に相手方配偶者が相応の収入を得られる職に就くのは困難であること等である。
補足:
別居期間自体が長期であることが大きなウェイトを占めているのではないかとのコメントあり。

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判決日時:
最判平成2年3月6日
結論 :
上告棄却(要件不充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
否定 否定 否定
10年。婚姻期間(21年:原審判決時)に比して長期とは即断できない。 未成年の子が2人おり、1人は高校生である。 有責配偶者の婚姻費用の支払状況等一切の事情から、相手方が苛酷な状況に置かれる。
補足:
原審の判断を記載。婚姻関係が破綻していないと判断したが、仮に破綻していた場合の判断を示している。また、婚姻関係が破綻していないとの根拠は、別居期間が10年であるものの、その原因は、常軌を逸した有責配偶者の母の相手方配偶者への仕打ちと、有責配偶者における母との関係の持ち方にあること、高校生という明らかな未成熟子がいることである。

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判決日時:
最判平成2年11月8日
結論 :
破棄差戻(①の要件)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
差戻 事実上肯定? 事実上肯定?
趣旨:別居後の時の経過とともに、当事者双方についての諸事情が変容し、これらのもつ社会的意味ないし社会的評価も変化するため、離婚請求が信義誠実の原則に照らして許されるかを判断するに当たり、時の経過が当事者の諸事情に与える影響を考慮する必要があること。 2人の子はいずれも成人であるが、大学生であり経済的に自立していない。しかし、離婚については婚姻当事者に任せる意思がある 別居後においても相手方配偶者及び子らに対する生活費の負担をし、別居後間もなく不貞の相手方との関係を解消し、更に、離婚を請求するについては、相手方に対して財産関係の清算についての具体的で相応の誠意があると認められる提案をしている
(おそらく①要件)有責配偶者と相手方との別居期間は約8年ではあるが、有責配偶者は、別居後においても相手方配偶者及び子らに対する生活費の負担をし、別居後間もなく不貞の相手方との関係を解消し、更に、離婚を請求するについては、相手方に対して財産関係の清算についての具体的で相応の誠意があると認められる提案をしている。他方、相手方は、有責配偶者との婚姻関係の継続を希望しているとしながら、別居から5年余を経たころに有責配偶者名義の不動産に処分禁止の仮処分を執行するに至っており、また、成年に達した子らも離婚については婚姻当事者たる被上告人の意思に任せる意向であるというのである。そうすると、本件においては、格別の事情の認められない限り、別居期間の経過に伴い、当事者双方についての諸事情が変容し、これらのもつ社会的意味ないし社会的評価も変化したことが窺われる。
否定(原審)→ 8年の別居期間は、双方の年齢(有責配偶者52歳、相手方55歳)及び同居期間23年に比して、有責配偶者としての責任と相手方の婚姻関係継続の希望を考慮しないで済むほど長期とはいえない。 否定(原審) 肯定(原審)→ 有責配偶者から財産関係の清算につき誠意が認められる提案がなされており、離婚により相手方が現在より苛酷な状況におかれることはない。
補足:
別居期間と両当事者の年齢及び同居期間とを数量的に対比するのみでは足りないとした。最判平成元年3月28日とは事案が異なるとした。ただし、私見ですが、せっかく3要件に分けたものが、元来規範的要件を判断するためのものであったため、結局3要素として相対化しているように思います。

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判決日時:
最判平成5年11月2日
結論 :
上告棄却(要件充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定(原審判断) 肯定(原審判断) 肯定(原審判断)
9年8ヶ月。双方の年齢(有責配偶者53歳、相手方54歳)及び同居期間17年2ヶ月に比して相当の長期間である。 子は2人おり、共に24歳以上(原審判決時)である。 夫としての責任を果たさず暴力を繰り返した相手方配偶者にも相当の責任があること。有責配偶者の不貞は2年間で終わっていること。相手方に婚姻生活を回復する積極的な意欲は窺えないこと。
補足:
10年未満という微妙な期間でも①要件の充足を認めた。

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判決日時:
最判平成6年2月8日
結論 :
上告棄却(要件充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 否定したが… 肯定
13年11ヶ月。同居期間15年。双方の年齢(有責配偶者57歳、相手方55歳)や同居期間を考慮すると相当の長期間である。 3人目の子が15歳である。2人目の子は20歳である。→ 有責配偶者からされた離婚請求で、その間に未成熟の子がいる場合でも、ただその一事をもって右請求を排斥すベきものではない。 有責配偶者の新たな生活関係の形成及び相手方の現在の行動等からは、もはや婚姻関係の回復を期待することは困難である。婚姻関係を破綻せしめるに至った有責配偶者の責任及びこれによって相手方が被った婚姻後の諸事情を考慮しても、もはや、相手方の婚姻継続の意思及び離婚による相手方の精神的・社会的状態を殊更に重視すべきではない。昭和63年9月からは月15万円、相手方に送金している。また700万円の離婚給付を提案している。
補足:
②要件についても、判断が相対化している。もはや3つの要件は3つの判断要素と呼ぶべきではないだろうか。

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判決日時:
最判平成16年11月18日
結論 :
原判決破棄控訴棄却(1審支持)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
否定 否定 否定
相手方と有責配偶者との別居期間は、原審の口頭弁論終結時(平成15年10月1日)に至るまで約2年4か月であり、双方の年齢や同居期間(約6年7か月)との対比において相当の長期間に及んでいない。 相手方と有責配偶者との間には、その監護、教育及び福祉の面での配慮を要する7歳(原審の口頭弁論終結時)の長男(未成熟の子)が存在する。 相手方は、子宮内膜症にり患しているため就職して収入を得ることが困難であり、離婚により精神的・経済的に苛酷な状況に置かれる。なお、相手方の光熱費等及び月8万円の生活費を有責配偶者は平成13年より負担しているが、判決のあてはめでは考慮されていない
抽象論として、信義則に照らし考慮要素を次のように掲げた。→有責配偶者の責任の態様・程度、相手方配偶者の婚姻継続についての意思及び請求者に対する感情、離婚を認めた場合における相手方配偶者の精神的・経済的状態、夫婦間の子、殊に未成熟の子の監護・教育・福祉の状況、別居後に形成された生活関係等が考慮されなければならず、更には、時の経過とともに、これらの諸事情がそれ自体あるいは相互に影響し合って変容し、また、これらの諸事情の持つ社会的意味ないしは社会的評価も変化することを免れないから、時の経過がこれらの諸事情に与える影響も考慮されなければならない。

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判決日時:
東京地判平成14年5月31日
結論 :
請求棄却
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
否定 肯定? 否定
10年を超える。双方の年齢(有責配偶者76歳、相手方70歳)及び同居期間約39年との対比において、有責配偶者としての責任を考慮しないで済むほど相当の長期間とはいえない。 子は、42歳(判決時)を超えている。 離婚によって相手方がピアノ教室を営む建物を退去せざるを得なくなった場合に、相手方の経済状況及び健康状態を考えると、相手方は離婚によって社会的経済的に極めて苛酷な状況におかれる。相手方主張によればピアノ教室は唯一の生計手段である。

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判決日時:
東京地判平成14年6月7日
結論 :
請求棄却
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
否定 否定 否定?
7年。双方の年齢(不明、婚姻後17年)及び同居期間約10年に比して、相当の長期間とはいえない。 子は3人おり、いずれも未成年であり未成熟である。 有責配偶者は、平成7年3月の別居にあたり月16万5千円を養育費として相手方に送金する旨合意したにもかかわらず、送金しなかったり一部にとどまっている。離婚に伴う経済的給付を期待し得る事情もない。

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判決日時:
東京高判平成14年6月26日
結論 :
請求認容
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 肯定
6年以上。同居期間約21年。もともと夫婦間の会話少なく意思疎通が不十分であり、別居前も相手方配偶者と親密な外国人との交遊に夫である有責配偶者からみて疑念を抱かせるものであり、夫婦間の溝は大きく広がっていた。 子は2人おり、共に成人して大学を卒業している。 相手方配偶者は外国語学校に勤務して相当の収入を得ている。有責配偶者は離婚に伴う給付として相手方に現在同人が居住している自宅建物を分与し、同建物に残っているローンも完済するまで支払い続けるとの意向を表明している。
補足:
相当長期の別居期間といえるかどうかは、数量的な問題ではなく、有責配偶者の責任の態様・程度と相関関係にあり、離婚当事者の諸事情、子の監護、教育、別居後に形成される内縁関係の相手方やこの状況等の諸事情との関係で決せられるべきもの(1991年調査官解説、おそらく平成2年11月8日最高裁判決評釈)。平成16年の最高裁判決でも具体的に列挙されている。

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判決日時:
東京地判平成14年6月27日
結論 :
請求棄却
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
否定 判断なし 判断なし
4年10ヶ月。ただし、この別居は出向が原因であり、勤務の都合で一時的な別居を余儀なくされた夫婦と同様である。また別居後も有責配偶者と相手方配偶者及びその子の交流は続いている。さらに有責配偶者は相手方に不貞関係の解消を約束したがこれを翻意して相手方を自殺未遂に至らしめた。他方、有責配偶者は別居の3年8ヶ月前から、平日は職場の近くのマンションで生活していた。

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判決日時:
東京地判平成15年1月31日
結論 :
請求認容
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 肯定
14年。一時的な同居の再開を除くと19年。同居期間は12年。 子が2人いるが、既に成人している。 離婚により精神的、社会的、経済的に極めて苛酷な状況におかれるというような事情は認められない。あてはめにおいて考慮されていないが、別居した昭和58年9月から、有責配偶者は相手方に生活費を送金し続けている。
補足:
相手方から反訴請求がなされており、慰謝料300万円、財産分与600万円が認容されている。

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判決日時:
東京地判平成15年6月12日
結論 :
請求認容
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 肯定
6年。同居期間19年。相手方の性交渉拒絶による。ただし、性交渉拒絶は有責配偶者の女性問題やギャンブルで夫婦喧嘩が絶えず、相手方や子供に暴力を振るったためである。 子は2人いる。成人に達している。 相手方は有責配偶者に対して慰謝料や財産分与請求権を有しており、相手方が離婚を拒否しているのは経済的な問題が主要な理由ではない。離婚により相手方の生活が立ち行かなくなることはない。

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判決日時:
東京地判平成15年6月27日
結論 :
請求認容
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 肯定
14年。同居期間11年6ヶ月。 子は2人いる。長男は成人に達し、長女は19歳で間もなく成人に達する。 有責配偶者が和解協議で提案した内容(相手方に和解成立後6年間自宅を無償使用させ、離婚給付として合計3000万円を支払う)及び有責配偶者の保有する財産の状況(自宅の敷地の持分、預貯金および退職金等合計約6400万円)からすれば、相手方への補償と子らの養育のための給付が期待できる。
補足:
他に考慮されたこと。有責配偶者と相手方との婚姻関係が修復可能性がないこと、有責配偶者は不貞の相手方との間に子をもうけて3人で長く暮らしていること、現在は不貞の相手方と別居しているもののその関係は続いていること。

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判決日時:
福岡高裁那覇支判   平成15年7月31日
結論 :  
  
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 肯定
通算9年1ヶ月。婚姻期間約13年、同居期間3年11ヶ月。また年数だけでなく、両者の夫婦関係にもたらす意味合いにおいても長期である。夫婦関係は既に形骸化している。 子は2人おり、いずれも13歳未満である。しかし子の福祉が害されない。 有責配偶者が相当額の婚姻費用の支払いを続け、原判決後は年額420万円の養育費を支払っていること、次女の成人までマンションの無償使用を認めていること。
3要件で整理しきれない事項。有責配偶者と2人目の不貞相手及び二人の間の子との生活関係に対する配慮も必要であり、それを相手方配偶者と2人の子の精神的、経済的生活に対する配慮に当然劣後させていいとはいえない、という事がある。
補足:
複数の不貞相手がおり間に子がいること、及び、一度離婚請求が棄却されていることに特徴である。有責配偶者からの離婚請求が棄却された前訴判決が確定しているが、有責配偶者が相手方に相当の金銭給付を申し出ていることなどのその後の事情を考慮すると、本件請求が信義則に反して許されないとはいえないとされた(原審)。本件では、本件請求が一事不再理には当たらないとした。さらに、コメントによれば、2人目の不貞相手が有責配偶者の両親と同居し、相手方配偶者に対する婚姻費用の分担にも協力していることを指摘して、有責配偶者の新たに形成された2人目の不貞の相手方及びその子との生活関係についても考慮しているとしている。

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判決日時:
福岡高判平成16年8月26日
結論 :  
控訴棄却(要件不充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
否定 肯定 否定
約9年。同居期間約21年及び双方の年齢(不明)等を考慮すると、相当長期とはいえない。 原審判決時に高校3年生であった長男が成人して大学に在学中であるところ、有責配偶者が授業料を負担しているため、離婚が子の福祉に重大な影響を及ぼさない。 相手方配偶者は、有責配偶者から支給される婚姻費用によってようやく生活を維持できている状態であり、経済的に困窮する自体に追い込まれる可能性が高い。離婚に伴う給付として有責配偶者が提案する内容(800万円)は十分ではない。
3要件で整理できない事項。有責配偶者と不貞相手との間に子がいないことに加え、有責配偶者と不貞の相手との間の新たな婚姻関係を形成させなければならないような緊急の要請はないこと。
補足:
有責配偶者と不貞相手との間に形成された新たな生活関係に関して前述の平成15年福岡高裁那覇支部判決との比較ができる事案である。

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判決日時:
東京地判平成17年8月26日
結論 :  
請求棄却
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 否定 否定
9年。同居期間11年及び双方の年齢(いずれも46歳)を考慮すると相当長期であるとも認定しうる。 子が1人いる。12歳未満である。子の意思に反して離婚を認めることは、さらなる精神的打撃を与えるので、子の福祉の観点より軽視できない。 相手方はうつ病のため就労困難で、有責配偶者からの婚姻費用によって長男と生活している。しかし有責配偶者が提示する離婚条件はこのような親子2人の今後の生活をまかなう者として必ずしも十分ではない。離婚は相手方を精神的・経済的に苛酷な状況におく。
3要件で整理できない事項(請求を否定する方向で考慮されている)。有責配偶者は自らの不貞行為を十分反省することなくこれを継続し、破綻の原因は専ら原告にあること。相手方の婚姻継続についての意思は強固であることなどからすると、別居後の有責配偶者の生活状況や相手方への送金、長男の養育にも全く無関心ではなかったこと。

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判決日時:
東京高判平成19年2月27日
結論 :  
控訴棄却(要件不充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 否定 否定
9年以上。 子が1人いて、成人している。しかし、子は日常生活全般にわたり介護が必要な状況なので、実質的には未成熟の子と同視すべき。 相手方が精神的・経済的に極めて苛酷な状況に置かれる。
②③要件のいずれにも当てはまる:母親である相手方の介助なしに日々の生活を送ることは不可能であるし、離婚すれば相手方とその子は現住居からの退去を余儀なくされる可能性もあり、離婚によって子の介護・福祉等に一層の困難を生じさせる。
補足:
両者の間の子は、出産の際の医療過誤が原因で肢体麻痺の障害を負った1級の身体障害者である。また未成熟子の不存在の要件は、成人か否かの形式的基準ではなく、親として養育すべき子といえるか否かという実質的な基準であるとのコメントがある。ただ、自立が困難な身体障害を持つ子の両親の離婚がいつまでも制限されてしまうという懸念もある。極めて高額な離婚給付が合意できれば離婚が成立しうる可能性が指摘されている。

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判決日時:
大阪高判平成19年5月15日
結論 :  
控訴認容(要件充足)
①相当長期間の別居 ②未成熟子の不存在 ③相手方配偶者が離婚により苛酷な状況に
おかれないこと (苛酷条項)
肯定 肯定 肯定
13年(別居する旨の調停成立後)。同居期間8年。双方の年齢46歳。別居後、不貞相手と内縁関係8年。 子は2人いて、高校生になっている。調査官の事実調査によれば、経済的な面を別とすれば離婚によって大きな影響を受ける可能性は低い。 相手方は約5年間パート勤務しており、養育費の支払いなども考慮すれば、精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状況にはならない。また控訴審での一部和解において慰謝料150万円、次男の大学進学費用150万円の支払いを約束した事情も考慮。
補足:
未成熟子が2人いる夫婦のケースである。昭和62年9月2日最高裁判決、平成6年2月8日最高裁判決が参考になる。

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夫が不倫をし、不倫相手と結婚したいので離婚して欲しいといい、一方的に家を出てしまいました。今後も生活費を払ってくれるといっておりますが、離婚に応じなくてはいけませんか
この場合の夫は有責配偶者(離婚する原因を作った方)ですので、原則として夫からの離婚請求は認められません。
もっとも、①小さいお子さんがいないこと、 ②相当な財産分与や生活費の支払いをしており、離婚後困窮に陥らない状況であること、③別居期間が長期間であること、をクリアすれば離婚出来る可能性があります。反対にいえば、①から③の状況を満たしていない場合には夫から離婚をすることは出来ません。 ただ、よほどの事情が無い限り裁判所では離婚を説得されます。
それは、離婚したくないのであれば、やり直すのかということになるからです。 さらに、離婚される妻としても、今後夫が生活費を払わない不安を抱えながら生活をするのであれば、離婚することを条件に高額の慰謝料を一括で貰うことが経済的には得になることもあります。
不倫相手と結婚したいという夫は通常不倫相手から結婚を強く要求されていることが多いので(男性としては本当は妻とも不倫相手とも籍を入れずに居た方が得ですよね。)、ある程度の金銭を支払う意思があることが多いからです。 よって、単純に離婚しないことが妻の利益になる場合ばかりでは無いので、お気持ちと今後の生活の見通しとの双方を勘案する必要があり、弁護士へ相談されることをお勧め致します。

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